「AIが人間の仕事を奪う」ということは以前から危惧されてきましたが、Chat GPTの普及によっていよいよ「将来は自分の仕事も危うくなる」と感じた人は多いのではないでしょうか?
簡単な商品紹介文であれば簡単に作成してくれますし、記事や事象の解説も素早く行ってくれます。
実際にAIが人間の仕事を奪ってしまう時が目前に迫っているのかもしれません。
実際にゴールドマンサックスは「Chat GPTなどの生成AIが3億人の人間の仕事を奪う」と予測しています。
ゴールドマンサックスの予測の内容などから、具体的にどのような仕事が生成AIによって奪われ、どんな仕事が残るのか考察していきます。
ゴールドマンサックスの予測とは?

「生成AIは世界全体で3億人分相当の仕事を置き換える可能性がある」
ゴールドマンサックスは2023年3月26日に発表したレポートの中で、そのように結論づけました。
レポートでは「既存の職業の3分の2が生成AIの影響を受ける」という衝撃的な発表がなされる一方、「GDPは引き上がる」というポジティブな予測もなされています。
つまり、AIの普及によって生産性が効率化してGDPは上がる一方、仕事が無くなる人も増えていくとゴールドマンサックスは予測しています。
既存の職業の3分の2が生成AIの影響を受ける
ゴールドマンサックスの予測によると既存の職業の実に3分の2が生成AIの影響を受けるとしています。
ゴールドマンサックスはアメリカとヨーロッパの職業と業務のデータを精査し、その仕事の内容がどの程度AIによって自動化できるかを検証しました。
検証によるとアメリカで影響を受けるとされる仕事の上位3つは次の通りです。
業務内容 | 自動化される割合 |
事務・管理支援職 | 46% |
法務職 | 44% |
建築設計・エンジニアリング職 | 37% |
同じようにヨーロッパでも45%の事務・管理支援職がAIによって自動化できるとの結果になっています。
事務職などはルール通りに正確に行うことができる作業ですので、AIの得意分野だと言えるかもしれません。
ただし、AIによって世界の3分の2の仕事が無くなるわけではなく、AIによって無くなる仕事は25%〜50%程度だと予測しています。
事務系、法務系の仕事はAIの影響を受けやすいですが、肉体労働系の仕事はAIによる影響を受けにくいとされています。
世界のGDPを7%引き上げる可能性も
生成AIの普及は人類にとって悪いことばかりではありません。
生成AIが普及すれば、経済活動の生産性は向上するので、世界のGDPを7%も引き上げるとゴールドマンサックスは予測しています。
人間が行うよりもAIが行った方が、早く正確に実行できる仕事は多々あります。
これによって、同じ労働時間でも多くの経済活動ができるようになるので、経済全体の生産性は向上し、むしろ給料が増える人も増えていく可能性があるでしょう。
参考:News Week 日本版|「ChatGPT」など生成AI、3億人分の仕事を奪う可能性…ゴールドマン・サックスが予測
Chat GPTの普及で無くなる職業とは?

ゴールドマンサックスは3月27日の報告書の中で既存の職業の3分の2がChat GPTなどの生成AIの影響を受け、25%〜50%程度の職業がAIに置き換わる可能性があると発表しています。
では具体的にどのような職業が生成AIの影響を受けるのでしょうか?
News Weekの記事によると、クロネコキューブ代表取締役の岡田充弘氏は次のような仕事が無くなっていくと述べています。
- 知的労働の比較的ベーシックな部分
- 問い合わせや受付業務
それぞれ具体的にどのような仕事なのか詳しく見ていきましょう。
知的労働の比較的ベーシックな部分

応用的な知識が必要なく、インターネットで調べれば分かること、簡単な資格を取得すれば分かること、機械やPCのソフトを使えば分かること、これらの仕事はインターネット上などから学習したことを生成できるChat GPTの得意分野だと言えます。
ライター、商品紹介、経理、情報処理、プログラミング、文字入力、これらの仕事は、簡単に調べたり、簡単な資格を取得することによって、人間でも比較的容易にできる仕事です。
応用的な知識が必要ない、これらの知的労働は生成AIに奪われる可能性が高いと言えるでしょう。
問い合わせや受付業務

問い合わせや受付業務も生成AIには得意分野です。
現在もChat GPTでは質問を入力すると、相当精緻に答えが返ってきます。
これを自動音声に置き換えることで、AIによる音声問い合わせ窓口ができるのは、それほど先の話ではないでしょう。
パターン化された問い合わせ内容だけでなく、ある程度イレギュラーな質問に対して、現在ですら一定の答えを出すことができているため、今後は人間並に正確でスピーディーな対応ができるようになるでしょう。
人間に残される仕事

同じくクロネコキューブ代表取締役の岡田充弘氏はNews Weekの記事において、人間に残される仕事は3つだけと述べています。
- 改善
- 創造
- 交渉
それぞれどのような仕事なのか具体的に見ていきましょう。
改善
今よりも商品やサービスをより良くする仕事は生成AIよりも人間の方が向いています。
今の問題点を洗い出し、最適な改善方法も見つけるには試行錯誤が必要になるためです。
AIはすでにある解をスピーディーかつ正確に導き出すことは得意ですが、まだ答えがない問題に対して試行錯誤を行い最適解を導き出すことには長けていません。
そのため、何かを改善する仕事は人間に残されるでしょう。
創造
創造も生成AIには不可能な仕事です。
これまでのパターンを分析して、これまでにないパターンの「新しいもののようなもの」を作成することはできるかもしれません。
しかし、前例のない完全に新しいものを作成することは不可能です。
生成AIは過去の事例や情報を学ぶためです。
芸術や発明はAIには現在のところ置き換えることはできません。
交渉
他人との交渉が必要になる仕事もAIに置き換えることは難しいでしょう。
交渉も過去の情報によって成功させるものではなく、相手の表情や感情を読んで巧みに会話をする技術や臨機応変な対応が求められるためです。
営業職などの他人や他社との交渉が必要な仕事もAIによって影響を受けないでしょう。
もちろん、肉体労働なども影響を受けない仕事です。
Chat GPTに聞いてみた
ではChat GPTは自身が進化し、さらに普及すると人間からどんな仕事が奪われると考えているのでしょうか?
Chat GPTに「Chat GPTはどんな仕事と置き換わることができますか?」と尋ねてみました。

電話対応やヘルプデスクの運営や、記事の作成や翻訳などは予想通り対応することができるようです。
驚いたのは「自動作曲や作詞の代替」とChat GPT自身が回答していることです。
今後は、Chat GPTが過去のヒット曲のパターンなどを分析して、人間が作る以上の作詞作曲ができるようになる日が来るかもしれません。
実際にヒット曲にはパターンがあると言われており、例えば90年代に一世を風靡した音楽プロデューサーの小室哲哉氏が手がけたヒット作はコード進行にパターンがあり、「小室進行」などと呼ばれています。
生成AIであれば、このようなパターンを見つけることが容易で、実はパターン化されている芸術作品についてはAIがパターンを見つけて作成してしまう可能性があるでしょう。
まとめ

Chat GPTなどの生成AIが人間の仕事の一部を奪ってしまう可能性があることは間違いないでしょう。
それほど深い知識を必要としない知的労働や、簡単な問い合わせ窓口だけでなく、作曲なども奪われる可能性があります。
しかしゴールドマンサックスは、人間の仕事がAIに置き換わることによって生産性が向上し、GDPを7%も成長させるとも予測しています。
人間によって置き換わるAIには給料が支払われるわけではありませんので、私たち人間は仕事をAIに任せて、今よりも仕事に時間をかけなくても今と同じかそれ以上の報酬を受け取れる可能性もあるでしょう。
つまり「AIに仕事が奪われる」ということは必ずしも悪いこととは限りません。
今後、AIがどのように社会に浸透し、人間がAIを使いこなすことができるのかを注目する必要があります。

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