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Published on: コラム

エンジニアの主な種類とは?仕事内容・必要なスキル・適性などを詳しく解説

エンジニアといっても、仕事内容の違いからいくつかの種類に分けられます。転職を考えるときは、それぞれの職種における仕事内容や必要とされるスキル、適性などをしっかりと把握しておくことが大切です。

この記事では、主なエンジニアの種類、求められるスキルや能力、エンジニアになるための方法などを解説します。

エンジニアの種類

エンジニアへの転職を考えるときは、まずエンジニアがどのような仕事であるのかをきちんと把握しておくことが大事です。さらに、エンジニアといってもさまざまな職種があるので、それぞれの違いについても押さえておきましょう。

ここでは、エンジニアの役割と5つの分類について解説します。

エンジニアとは?

エンジニアとは、工学(人工システムの開発・企画・設計・制作・運用・保全の基礎となる学問領域)の知識や技術を用いて、便利で快適な環境を生み出す技術者を指します。エンジニアには、機械系・化学系などさまざまな分野で活躍するエンジニアが存在しますが、この記事では情報技術系のITエンジニアについて紹介します。

厚生労働省が公表している「賃金構造基本統計調査(2020年)」によれば、「システムコンサルタント・設計者」の平均年収は「約690万円」となっています。男女別の平均年収は、男性が約734万円、女性が約536万円です。

他の業種と比較をしても年収は高めなので、きちんとキャリアを築いていけば将来性のある仕事だといえます。

ITエンジニアの5つの分類

ITエンジニアの職種は、仕事内容や役割によって「開発エンジニア(システムエンジニア・Webエンジニア)」「インフラエンジニア」「上流工程のエンジニア」「その他のエンジニア」の5つに分類できます。それぞれの特徴についてまとめると、次のとおりです。

分類特徴具体的な職種
開発エンジニア(システムエンジニア)システムやソフトウェアなどを設計・開発するエンジニア。担当する作業や開発対象によって、複数の職種がある。・システムエンジニア(SE)・プログラマー
開発エンジニア(Webエンジニア)Webサイトやアプリケーションの設計・開発を行うエンジニアを指す。・フロントエンドエンジニア・バックエンドエンジニア
インフラエンジニアソフトウェアやシステムが動作する基盤を設計・構築・運用・保守する業務を担当するエンジニア。・サーバーエンジニア・ネットワークエンジニア・データベースエンジニア・セキュリティエンジニア・クラウドエンジニア
上流工程のエンジニア開発プロジェクト全体を管理するエンジニア。・プロダクトマネージャー
その他のエンジニア上記に当てはまらないエンジニア。・社内SE・データサイエンティスト・セールスエンジニア・テストエンジニア・フィールドエンジニア

ITエンジニアになることを目指すときは、どの分野でキャリアを形成したいかを考えて選ぶ姿勢が大切であり、就職・転職時には職種をよく検討しておきましょう。

ITエンジニアの種類と仕事内容、適性

ITエンジニアの種類と仕事内容、適性

ITエンジニアは職種ごとに、取り組むべき仕事内容や適性などが異なります。ここでは、前述の5つの分類について、職種別に詳しく解説します。

開発エンジニア(システムエンジニア)

開発エンジニア(システムエンジニア)は、システムやソフトウェアを設計・開発するエンジニアであり、一般的なITエンジニアとしてイメージが浮かびやすい職種です。ただし、担当する業務や開発対象として、システムエンジニアにはさまざまな職種があります。

プログラミング言語を用いて開発を行うエンジニアをプログラマーと呼びます。職種別に、どのような仕事内容であるのかを見ていきましょう。

システムエンジニア(SE)

システムエンジニアは(SE)、システムの設計やテスト、運用・保守などを担うエンジニアであり、業務は広範囲にわたります。システムを構築するにはSEの存在が欠かせないので、将来的なキャリアを考えるうえでも有望だといえるでしょう。

顧客からの要望を踏まえて、設定された期間や費用の範囲内で要望に応えていくための設計を行います。また、プログラマーがプログラミングを行うときに必要な設計も担当します。

システムが設計したとおりに動作するかを確認したうえで、納品後も定期的なメンテナンスや復旧対応などに取り組む仕事です。SEは顧客と接する機会が多いため、コミュニケーションスキルに長けた人に適性があるといえます。

プログラマー

プログラマーは、SEなどが作成した仕様書に基づいて、実際にシステム開発を担うエンジニアです。開発に特化した職種であり、開発対象は業務システムやアプリケーションなどさまざまあり、使用するプログラミング言語は異なります。

コードを書いてシステムを作っていく仕事であるため、地道な努力が重ねられる人が向いています。未経験者でも挑戦しやすい職種であるため、初めてIT業界で仕事をする方におすすめの職種です。

開発エンジニア(Webエンジニア)

Webエンジニアは、Webサイトやアプリケーションの設計・開発を担うエンジニアです。ユーザーが直接目に触れる部分だけでなく、Webサイトやアプリケーションがきちんと動作するように仕事をしているITエンジニアもいます。

ここでは、2種類のWebエンジニアについて解説します。

フロントエンドエンジニア

フロントエンドエンジニアは、ユーザーがWebサイトやアプリケーションを利用したときに、直接触れる部分の設計や構築を行う職種です。デザインに興味がある方に向いており、プログラミング言語を用いて構築を行います。

使用する言語はそれほど難易度が高いものではないので、IT業界未経験者であっても挑戦できる職種だといえるでしょう。

バックエンドエンジニア

バックエンドエンジニアとは、サーバーやデータベースといったユーザーからは見えない部分の設計や構築を担う職種です。フロントエンドエンジニアとは異なるプログラミング言語を用い、習得する難易度は高めだといえます。

データベースの設計や構築、バックエンドシステムの運用・保守も担当する職種であり、論理的な思考力を持った人に向いている仕事です。

インフラエンジニア

システムやソフトウェアが動作する基盤を設計・開発・運用・保守するのがインフラエンジニアです。インフラとは、IT業界においてはネットワーク・サーバー・データベースなどを意味しています。

そのため、担当する業務によってサーバーエンジニアやネットワークエンジニアといった名称が存在しているのです。職種ごとに仕事内容や求められるスキルの違いなどを解説します。

サーバーエンジニア

サーバーエンジニアは名称のとおり、メールサーバーや認証サーバーなどのサーバー関連の設計や構築を行うエンジニアです。また、サーバーの復旧なども業務の一環として担います。

パソコンの各種設定を変更することが多いため、パソコンいじりを普段から行っている人向きの仕事です。Linuxなどサーバーに関する知識やスキルを身につければ、未経験者でもチャレンジしやすい職種だといえます。

ネットワークエンジニア

ネットワークエンジニアとは、コンピューターネットワークの設計・構築・運用・保守を担う職種です。システム全体のネットワーク設計や専用機器の設定などを行います。

Wi-Fiや無線LANの普及によって、さまざまなものをインターネットに接続するIoTへの需要が増えています。ネットワーク機器で世界的なシェアを持つシスコ社のスイッチやルーターなどが扱えると就職に有利でしょう。

必要な知識が豊富に求められる仕事であるため、新しいことを学ぶことが好きな人におすすめです。未経験者であっても、運用・保守といった業務から始められるので挑戦しやすいといえます。

データベースエンジニア

データベースエンジニアは、データベースの設計・構築・運用・保守を担う職種です。近年、活用される機会の多いビッグデータとの関連性が高い仕事であるため、将来性のある職種だといえます。

正確な設計スキルなどが求められるので、几帳面な性格の人が向いているでしょう。世界的に高いシェアを持つオラクル・データベースに関する知識や、データベースの操作言語であるSQLを習得しておくと、就職や転職に有利です。

セキュリティエンジニア

セキュリティエンジニアは、セキュリティに関する部分を担う職種です。組織が保有する重要な情報を保護し、セキュリティ上の脅威からシステムを守るのが主な役割となります。

個人情報の流出や機密情報の漏えいは、信用低下を招いてしまうので、責任感を持って業務に取り組める方向きの仕事です。ネットワークに関する知識だけでなく、情報セキュリティマネジメントの知識を身につけておくことで、仕事をしやすくなるでしょう。

クラウドエンジニア

クラウドエンジニアは、クラウド上でサービスが展開できるように、ネットワークの構築や保守、監視、サーバーの構築などが主な仕事内容となっています。クラウド内で構築したサーバーやネットワークを通じて、サービスを展開する企業も増えているので、活躍の場は広がっているといえるでしょう。

クラウドサービスに関する知識やスキルの習得が不可欠であり、Amazonが提供しているAWSなどの仕組みに詳しければ、就職・転職に有利です。

上流工程のエンジニア

ITエンジニアのなかには、システムやソフトウェアを作るだけでなく、開発プロジェクト全体を管理するエンジニアもいます。ITエンジニアの最終的なキャリアパスとして、上流工程に位置付けられる業務を担当し、高いスキルが求められるといえるでしょう。

上流工程を担当するITエンジニアの仕事内容や適性について解説します。

プロジェクトマネージャー

プロジェクトマネージャーは、開発プロジェクトを管理し、成功に導いていくことが主な役割としてあります。チームメンバーを統率して、限られた予算や期間内にプロジェクトを完成させる役割を担います。

メンバーやクライアントとのコミュニケーション能力だけでなく、マネジメントに関する能力も求められます。SEなどとして経験を積み、キャリアパスとしてプロダクトマネージャーを目指すケースが多いです。

その他のエンジニア

ここまで紹介してきた職種以外にも、ITエンジニアには複数の職種があります。主なものについて、それぞれ見ていきましょう。

社内SE

社内SEは、企業内のシステム構築や定期的なメンテナンスを担う職種を指します。社内ネットワークの構築やパソコンの貸出、新しく導入した機器の設置といったヘルプデスクのような役割を担うこともあります。

外部のシステムを導入するときは、IT部門の担当者として立ち会ったり会議に参加したりする場合もあります。社内におけるIT活用について相談を受けることが多いことから、コミュニケーション能力に長けている人が向いています。

未経験者が社内SEとして働くケースは少ないので、まずはエンジニアとして経験を積んでいくことが大切です。

データサイエンティスト

データサイエンティストとは、蓄積されたデータを分析して結論を導き出し、ビジネスにおける意思決定を支援するエンジニアです。膨大な量のデータを人の手で分析するわけではなく、AIにデータを読み込ませて機械学習させていく形をとります。

分析することが得意で、論理的に物事を考えられる人に向いています。AIやPythonなどを学ぶことに興味がある人は、エンジニアとしてある程度の経験を積んだら挑戦してみましょう。

セールスエンジニア

セールスエンジニアは、営業の仕事とエンジニアの仕事の両方を担う職種です。クライアントが悩んでいる課題について、自社製品やサービスの導入を提案し、その後のアフターフォローまで担うのが役割といえます。

ITに関する知識だけでなく、提案から契約に結び付けるまでの営業力やコミュニケーション能力も求められます。高い専門性が要求されるので、開発の仕事に携わってからセールスエンジニアとしてのキャリアアップを検討してみましょう。

テストエンジニア

品質管理エンジニアとも呼ばれており、プログラマーが開発した成果物をテストする専門職がテストエンジニアです。テストを通じて不具合を洗い出し、品質の向上に努めていく役割を担います。

テストそのものは手順書に沿って実施するため、特別な知識が必要なわけではありません。未経験者でも挑戦しやすい職種であり、スキルを高めていくことでSEへのキャリアアップといった道筋も開けてくるでしょう。

フィールドエンジニア

フィールドエンジニアはシステムや機器の導入、保守・トラブル対応などを担う職種です。医療現場などでの需要が高い職種であり、今後のニーズも見込まれるので将来性がある仕事です。

さまざまな不具合に対処する力が求められるので、臨機応変に対応できる人が向いています。保守やトラブル対応といった部分から仕事に携われるので、IT業界未経験者でもチャレンジしやすい職種でしょう。

ITエンジニアに求められるスキル・能力

ITエンジニアに求められるスキル・能力

ITエンジニアに必要とされるスキルや能力は、業務を遂行するうえで求められる専門的な部分と、チームとして仕事をするためのポータブルスキルがあります。また、必要とされるスキルや能力を客観的に証明するために、資格を取得してみるのも良いでしょう。

ITエンジニアとして求められるスキルや能力、資格などについて解説します。

技術的なスキル

エンジニアは技術職であるため、ITに関する知識やスキルはどの職種であっても必要だといえます。基本的なIT知識やプログラミングのスキルとして必要なものは、次のとおりです。

【ITの基礎知識】

・ソフトウェア:OS、ファイルシステム、開発ツールなど・ハードウェア:メモリ、プロセッサ、入出力装置などコンピューターの構成要素・データベース:データベース方式、設計手法、データ操作、トランザクション処理など・ネットワーク:ネットワーク方式、通信プロトコル、ネットワーク管理など・セキュリティ:情報セキュリティの種類、セキュリティ管理方法など

【プログラミング言語】

・Webシステム:PHP、Java、Rubyなど・アプリシステム:Swift、Kotlin、Dartなど・業務システム:PHP、Java、VBなど

上記のような知識やスキルを身につけておくと、エンジニアとして就職や転職、キャリア形成を行いやすくなるでしょう。

国家資格とベンダー資格

ITエンジニアとしての知識やスキルを第三者に対してアピールするには、認知度の高い資格を取得すると良いといえます。独立行政法人情報処理推進機構(IPA)が主催している「基礎情報技術者試験」「情報セキュリティマネジメント試験」などは、国家資格として評価を高めることにつながるでしょう。

また、特定の企業の製品に関する知識やスキルを問うベンダー資格として、オラクル社やマイクロソフト社が主催して行っている試験などがあげられます。実力に合わせてレベルの試験を受けられるので、すでにエンジニアとして働いている方でも、体系的な学びを深めたりキャリアに将来性を持たせたりするのに役立つはずです。

ポータブルスキル

ポータルスキルとは、業種や職種が変わっても通じるスキルのことであり、具体的には「コミュニケーションスキル」「論理的な思考力」「ドキュメントの作成スキル」などがあげられます。これらのスキルを高めておくことで、ITエンジニアとしてプロジェクトを円滑に進め、スムーズに働くことができるでしょう。

まとめ

エンジニアと一口に言っても、職種はさまざまなので種類別に仕事内容や必要とされるスキルなどの違いをしっかりと把握しておくことが大切です。将来のキャリア形成も考慮したうえで、自分の適性を生かせる職種を選んでみましょう。

就職や転職の際には、IT系の資格を取得するなどして、エンジニアとなるために積極的な取り組みを行っている点もアピールすることが大事です。独学やスクールの活用など、自分に合った学習方法を選択してみてください。

IT業界全体で人材不足が起こっているので、未経験者であっても挑戦できるチャンスがあります。基本的な職種の違いを押さえたうえで、今後のキャリアを築いていきましょう。


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Written by アクラボ Brandマーケティング Room.

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