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サーバ代下回ればサービス終了!ゲーム延命ゲームとは?

「偽りのアリス」は7月31日にサービス終了だが。。

「偽りのアリス」は放置にて経験値や装備を獲得し、キャラを育てていく放置系ゲームです。

アプリを閉じていてもキャラが自動で戦ってくれて、経験値やアイテムを獲得してくれるので、普段忙しい人に人気のゲームです。

この「偽りのアリス」を運営しているビジュアルアーツは7月15日に次のような発表をしました。

「偽りのアリス」は7月31日にサービス終了だが。。

2023年7月31日をもって「新規コンテンツの更新を停止する」ということが発表されました。

ただ、新規コンテンツの更新を停止するだけで、既存のコンテンツで遊ぶことは可能です。

しかし、7月31日のメンテナンスで「サーバー代カウンター」と「何かのカウンター」を実装予定で、「何かのカウンター」が「サーバー代カウンター」を下回らない限りは、サービスを継続するとのことです。

何かのカウンターとは?

ネットでは「何かのカウンター」について話題沸騰です。

「何かのカウンターwww」

「一体何のカウンターやろなぁ(すっとぼけ)

しかしサ終ボーダーライン可視化するのはなかなか面白い試みだと思う」

「・課金カウンター

・サーバー代カウンター(人件費含む)

でしょうね

可視化して「下回るとサ終だから課金よろしく…!」というやり方は正直潔くて良い

こういう潔さある運営方針、いいよね」

「採算分岐点見える化したつてこと!?

ほげー!!おもしろい!!!」

「サーバー代カウンターとお賽銭カウンターか。

明確に可視化出来るし、目標も見えやすい。

考えた人策士だなぁ。まるで孔明のようだ。」

何かのカウンターとは「課金カウンター」のことのようです。

簡単に言えば「ユーザーからの課金額がサーバー代を下回ったらサービス終了」という発表のようです。

まさに「偽りのアリス」は2023年7月31日からは「ゲームを終了させないためのゲーム」という新しい遊び方が始まります。

ゲームを終了させたくないファンは、「サーバー代カウンター」と「課金カウンター」をチェックして、サーバー代を下回らないように力を合わせて課金をしていくしかありません。

ネットの反応

オンラインゲームの採算が取れなくなった時、どのようにサービスを終了させるのかということは以前から議論があり、ユーザーがいる以上は突然終了させることはできない一方、サービス終了前に終了させることについて、「残念ながら終了決定前に危機をアピールすると早期に終わる可能性がさらに高まる」というワンゴ取締役COOの栗田穣崇さんの意見もあります。

「偽りのアリス」のこの発表はネットではむしろ評価されているようです。

『業界初?サーバー代を下回ったらサービス終了な「サ終カウンター」設置。

突然のソシャゲのサービス終了に嘆く不満に対する一つの答ですね

支えるユーザーがいる限りサービスは継続するという姿勢はある意味理想なのでは。コンテンツ更新停止前にカウンターあったらなにかかわったのかも気になる』

『これ、凄く斬新だと思う

ユーザーには見えないラインを可視化して、いきなりサービス終了にならないようにしてる』

『応援したい人は課金でサ終に歯止めかけるよう動けるしいいシステムだな』

『このシステムは斬新

ユーザーの頑張り次第でゲームがずっと続くかもしれない?』

『天才かw

サーバー代の損益分岐点をオタクに公開することによってサ終を免れるシステムwww

壮大な社会実験だ』

オンラインゲームのサービス終了前には「教えてほしい」というファンの心理をついた戦略ということで、評価する声が圧倒的に多くなっています。

普通にサービス提供を継続していたら収益が上がらないサービスから、さらに最後にもう少しの収益をあげる方法としてかなり戦略的でしょう。

コアなファンも、サービスが終了したとしても「自分たちの課金が足りなかったから」と納得できるでしょう。

そもそもなぜオンラインゲームはサービスを終了するのか?

「偽りのアリス」のような15年も運営した老舗オンラインゲームが終了する理由ななぜなのでしょうか?

一般的にオンラインゲームがサービスを終了する理由は次の5つです。

  • 開発コストを回収できない
  • 会社の定めた目標に届かない
  • 致命的なバグが見つかりサービスを継続できない
  • サービスの運営を他社へ移管できない
  • ゲーム会社が倒産した

「偽りのアリス」のアリスはリリースから15年も経っている老舗ゲームです。

そのため、開発コストはとっくに回収しているはずです。

一般的にIT投資の回収は償却期間である5年と言われていますので、リリースから15年も経過している「偽りのアリス」はとっくにコストの回収は終了しているものと思われます。

また、「偽りのアリス」に致命的なバグも見つかっていませんし、サービスを他社へ移管するような情報もありません。

運営会社である株式会社ビジュアルアーツは2022年6月に『東京支社新オフィス』と『モバイルゲーム事業部』を新規設立し、公式オンラインストアもオープンさせています。

また2022年9月には書籍レーベル「キネティックノベルス」を創刊するなど、着々と新規事業を開始しているので、運営会社の経営悪化によるサービス終了でもありません。

つまり、サービス終了の理由は、「単年で見て採算が合わなくなったから」というものでしょう。

開発コストは回収し、その後数年間は金のなる木として、会社に利益をもたらしてきたものの、課金するユーザーも減少したことから、維持コストを賄うことができなくなったものと考えられます。

老舗ゲームが常に新しいユーザーを獲得し続けて、課金を続けてもらうことは簡単ではないということが分かります。

他のオンラインゲームの終わり方は?

「偽りのアリス」は、課金額がサーバー代を下回ったら終了というものでした。

そして、「偽りのアリス」の発表では「他のゲームでもこのような終わり方にしてほしかった」という声も多く寄せられています。

では他のゲームの終わり方はどのようなものだったのでしょうか?

ファンタジーアース ゼロは感謝の手紙とアイテムとともに

スクウェア・エニックスが運営するMOアクションゲームの「ファンタジーアース ゼロ」は15年もの長い間提供されてきたゲームでしたが、2022年9月25日にサービスを終了しました。

「ファンタジーアース ゼロ」の終わり方は次の2つのポイントがあります。

  • アイテムとして運営からの手紙を配布
  • ネットワーク切断まで1分程度延長

ユーザーにはアイテムとして運営から「15年もの長い間、ありがとうございました」という趣旨の手紙が配布され、最後は今までの思い出を語る多くのファンが集まったことから、ネットワークの切断が1分延長されました。

「ファンタジーアース ゼロ」はファンに対して「感謝の意を示す」という方法で、サービスを終了したと言えます。

ガンダムオンラインは早期に告知してファンと一体のグランドフィナーレ

「ガンダムオンライン」は2012年のサービス開始から約10年後の2022年3月30日にサービスを終了しました。

サービス終了を発表したのは、2021年12月ですので、終了の3か月以上前という比較的早いタイミングで告知を行っています。

終了前の間に「これまでの感謝を込めた9周年イベント」を行ったり、イベント企画を行うなどして「サービス終了」に向けて盛り上げていきます。

3月30日、サービス終了の日には、多くのユーザーがログインし、チャット欄にはガンダムへの感謝や愛情や畏敬の念を示す「ジークオン」というフレーズがものすごいスピードで流れていきました。

ガンダムオンラインは早期に終了を告知して、終了日までに盛り上げることによって、ファンと一体となり感動のグランドフィナーレを迎えることができました。

他のオンラインゲームは基本的にはファンに対して感謝を示して「ファンに終了を受け入れてもらう」というスタンスです。

一方、「偽りのアリス」は終了を受け入れられないファンと正面から向き合うという点で、非常に斬新な終わり方だと言えます。


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Written by アクラボ Brandマーケティング Room.

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